こんにちは
2ndスクールオンライン 教室長の奥田みほです。
もうすぐ夏休みです。
中学受験生にとって『夏は天王山』、勝敗の分かれ目などと言われています。
中学受験生本人が、ハチマキ締めて『夏は天王山!』と拳を掲げているならば、まあ良いですが、親御さんだけが、『夏は天王山』とキリキリするのはおすすめできません。
夏休み目前のいま、一旦立ち止まって、中学受験の意味と価値、中学受験偏差値50の現実に向き合ってみませんか。
小学校高学年の親御さんに役立つ内容となっています。
どうぞ最後までご覧ください。
中学入試では、小学校での学びを超えた高度な学力が要求されます。
特に人気のある学校は、倍率が非常に高く、一握りの生徒しか合格できない厳しい競争が繰り広げられます。
このため、中学受験生は日々の学習に加え、模試や過去問演習、塾での特訓など、膨大な時間と努力を費やしています。
一方で、「ゆる受験」という方針で取り組むご家庭もあります。
特別な対策を講じず、現在の学力で入れる学校を目指すという考え方です。
しかし、「ゆる受験」のつもりが、途中で親御さんが中学受験の偏差値という魔物に影響されてのめり込み、お子さんのテスト結果に一喜一憂してしまうケースも少なくありません。
中学受験は、「中学受験沼」と揶揄されるように、ある程度の覚悟がなければ成し遂げられない、家族の大イベントだと私は思います。
「ゆる受験」の方針だった親御さんが、のめり込む原因の一つが模試の偏差値です。
小学校のテストではほぼ満点なのに、模試の偏差値は50未満!!
親御さんは相当なショックを受けます。
ここで、中学受験における偏差値50について解説します。
偏差値50は、中学受験塾に通う生徒全体の中での平均的な学力を示します。
しかし、中学受験塾に通う生徒たちは、一般的に学力や学習意欲が高い傾向があります。
このため、小学生全体を母集団とした場合、偏差値50の位置はさらに高いレベル、例えば偏差値65あたりに相当するかもしれません。
具体例として、明治大学付属中野中学校の偏差値は56です。
一方で、同じ学校の高校(明治大学付属中野高校)の偏差値は67〜68となっています。
この差は、母集団の差です。
中学受験の偏差値50が、いかに高いレベルであるかご理解いただけることでしょう。
さらに、中学受験の偏差値は、高校受験や大学受験と大きく異なる点があります。
それは、上下10ポイントの乱高下が当たり前だということです。
つまり、偏差値50のお子さんが、ときに偏差値60になったり偏差値40になったりするのが当たり前だということです。
この事実を知らないと、偏差値ジェットコースターに一喜一憂し、お子さんに怒りをぶつけてしまい、お子さんを立ち上がれなくなるまで叩きのめしてしまう危険性があります。
これは非常に危険な状態、いわゆる「教育虐待」です。
この危険な状態に、誰しもなる可能性があります。
何も考えず、何も対策しなければ、このようになるのが必然と言っても過言ではありません。
せっかく中学受験に挑戦しようと思ったのであれば、中学受験の特性をきちんと理解し、陥りがちなリスクから遠ざかる努力をしてほしいです。
正しく取り組めば、中学受験は、お子さんにとっても親御さんにとっても、かけがえのない成長のチャンスです。
ぜひ、正しい知識をもって中学受験偏差値50をキープ、または突破していきましょう。
前述のとおり、中学受験では、模試の偏差値が上下10ポイント乱高下するのは当たり前です。
「それを差し引いたとしても、うちの子の成績は芳しくない!」
という方へ、成績が伸び悩む原因について解説しましょう。
成績が伸び悩む原因は3つあります。
一つ目は
基礎学力の不足です。
基礎学力とは
です。
ひとつずつ見ていきましょう。
ここ5年ほどの間に、「読む力」が不足している小学生が増えていると感じています。
これは、教育現場でも指摘されている問題です。
たとえば、小学校1年生の算数で、計算の1行問題は解けるけれど、文章題が解けないケースがあります。
生徒さんと対話してみると
「合わせていくつ」
「ちがいはいくつ」
といった言葉の意味がわからないと言うのです。
小学校2年生の掛け算割り算の文章題で、
「3こずつ」
という言葉の意味がわからない生徒さんもいます。
これでは、計算ができても文章題は解けません。
高学年でも同様です。
国語の読解問題や算数の文章題では、読解力以前に【読めていない】ことが成績の低迷の原因です。
成績が低迷するお子さんの多くは、読むスピードが遅く、重要な語句を知らないために得点できません。
対策としては、以下のことが有効です:
読む力と同様に、「書く力」が不足している生徒さんも多いです。
まず第一に、鉛筆の持ち方に問題があります。
成績優秀層は正しい鉛筆の持ち方をしています。
御三家レベルの入試問題は記述問題が多いですが、正しく持っていないと、一定以上のスピードで読める字を書くことができません。
算数にしても国語にしても、脳の指令で手を動かして、数字や字を書いています。
これが自在にできないことは、学習において大きなハードルです。
「書く」という行動を自分の武器にできているかどうかが重要です。
「読む力」と「書く力」が不足している原因に、小学校に上がる前の「読む」「書く」の経験不足があります。
絵本を読む、クレヨンで絵を描く、字を書くといった経験が動画視聴に替わっていないか心配です。
くもん式で中学3年生に相当する教材まで進んでいるのに、中学受験塾では下位クラスにいるお子さんも少なくありません。
くもん式は、段階を踏んで学習を積み上げていく素晴らしい教材です。しかし、万能ではありません。
小学校低学年からくもん式に取り組んでいるお子さんの中には、「早く満点をもらって早く家に帰りたい」という気持ちから、何度も同じプリントをやるうちに答えを覚えてしまい、作業のようにプリントに解答を書いている場合があります。
これでは、「じっくり考える力」を育てるチャンスを逃し、「とにかく正解すればよい」という誤った学習方法を身につけてしまいます。
このような傾向がある場合は、早急な対策が必要です。
「ちょっとくらい間違っても良いので、じっくりゆっくり考えてごらん」というアプローチで、正解するよりもじっくり考えるプロセスの大切さを伝えていく必要があります。
二つ目は
中学受験における家庭学習方法の誤りです。
中学受験では、家庭学習が非常に重要ですが、誤った方法の家庭学習が理由で、お子さんの成績が伸び悩んでいるケースが散見されます。
最近は低学年から通塾する方が増えていますが、1〜3年生のうちから得点にこだわって、できない単元を繰り返しお子さんに解かせていませんか?
こんなことをしていると、お子さんは勉強がきらいになってしまいます。
中学受験塾の低学年コースは、
「学ぶって楽しい!」
を育てる3年間です。
小学校では習わない難易度の高いことにも触れますが、もしその時にお子さんが解けなかったとしても、それは「できない」のではなく「いまはできない」にすぎません。
低学年のうちは、お子さんに寄り添い、親御さんも一緒に学びを楽しんでください。
4年生の秋以降から、次第に内容が難しくなり、5年生が勉強が一番難しく辛い1年間です。
お子さんが10歳を迎えたら、「目はかけるけど、手はかけない」方針にシフトします。
親御さんが家で勉強を教えるのは控えてください。
なぜならば、反抗期も合間って親御さんの指導にお子さんが激しく反発し、親子喧嘩やひどいときには家庭内暴力へ発展するリスクがあるからです。
中学受験のための勉強そのものは、塾にすべて任せましょう。
家庭学習でのフォローは、宿題の箇所がわかるように付箋をつけてあげることや、夜更かしせずに就寝できるように生活リズムを整えるなどのマネジメントが中心となります。
お子さんの学習において、不安があったら、お子さんへはたらきかけずに、親御さんから直接塾の先生へ相談しましょう。
三つ目は
家庭環境とメンタルフォローの不足です。
お母様に質問です。
毎日、ニコニコしていますか?ご夫婦仲はいかがでしょうか?
お子さんの学力に不可欠なのが、親御さんのメンタルです。
「え?そんなこと?」と思われたでしょうか。でも事実です。
家庭の雰囲気は子どもの心に大きな影響を与えます。
特に中学受験という大きなプレッシャーの中では、家庭が安心できる場所であることが非常に重要です。
親御さんがイライラしていたり、夫婦仲が悪かったりすると、お子さんも不安になり、勉強に集中できなくなります。
子どもが安心して勉強に取り組むためには、親御さんが、親御さんご自身を大切にしメンタルを整えます。
家庭内に明るい雰囲気を作ることが必要です。親御さんが笑顔でいることで、子どもも安心し、やる気が出ます。
親御さん自身がリラックスし、楽しみながら家庭学習をサポートすることが大切です。
また、親子のコミュニケーションも重要です。
お子さんの気持ちに寄り添い、話を聞いてあげることで、信頼関係が深まります。
お子さんが勉強でつまずいたときや、気持ちが落ち込んだときには、優しくサポートしてあげましょう。
最後までお読みくださり、ありがとうございます。
私にできることが、少しでも皆さまのお役に立てたらと、精一杯心を込めて書きました。
このブログの感想やお子様に関するモヤモヤ、お悩みなどをお聞かせください。
2ndスクールオンラインは、中学受験における親子のポジティブメンタルに注目したオンライン個人指導塾です。
学年途中での転塾は原則的に勧めません。
中学受験塾の集団授業では理解を深めにくい単元を2ndスクールオンラインにて1対1で丁寧にご指導いたします。
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