こんにちは
2ndスクールオンライン 教室長の奥田みほです。
中学受験を控えた6年生の多くが、塾や家庭での勉強に追われています。
夜遅くまで塾で勉強して、帰宅後、その日のうちに復習する。
「まだ全然終わっていないのに眠たいなんて、うちの子は、本当にやる気がない」
こんなご相談が寄せられることもあります。
「6年生だったら、睡眠が1日5時間でもなんとかなる」
こんなことを配信している受験生保護者ブログを見かけたこともあります。
もう6年生の秋だから、入試までのあと数ヶ月だから、睡眠時間を減らして少しでも多く学習時間を確保したい。
そう考える親御さんが多いのも頷けます。
今回は、睡眠時間が子どもの学力にどのように影響するのか、医師や専門家のエビデンスを交えながらお伝えします。
睡眠時間を削って、その分を学習に充てると当然学習時間が増えます。
だから、睡眠時間を削れば成績が上がる。 と言えるのでしょうか。
『学習時間が増えれば成績があがる。』
これは誰しも認める事実でしょう。
ただし、それはお子さんご本人が【健康な状態である】という条件下に限ります。
21時まで中学受験塾で勉強し、帰宅後、復習すべき単元が終わるまで寝られない。
ほとんど毎日就寝時刻は午前1時過ぎ。朝はなかなか起きてこないけれど、叩き起こして学校へ送り出す。
このような状況は、どう考えても健康な状態とは言えません。
医師や睡眠研究の専門家たちは、睡眠不足が子どもたちに及ぼす影響について警鐘を鳴らしています。
小児科の医師、子どものアレルギーを診ている耳鼻咽喉科の医師など、日頃から子どもを診察している医師たちが、最近の子どもたちの睡眠不足を心配しているのです。
厚生労働省や日本睡眠学会は、12歳の子どもには、9〜12時間の睡眠を推奨しています。これらを下回ると、認知機能や集中力が低下し、学習効率が著しく落ちることが報告されています。
睡眠不足により脳のパフォーマンスが低下し、ストレスホルモンが増加します。
これにより、集中力や感情のコントロールが難しくなり、学力の低下に繋がるだけでなく、怒りっぽくなったり、逆に落ち込みやすくなったりと、心身の健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。
また、睡眠不足は免疫力を低下させ、体調を崩すリスクも増えます。
中学受験塾に通う6年生にとって、毎日9〜12時間の睡眠時間を確保するのは、現実的ではないかもしれません。
そこで、週単位で考えて少なくとも1日平均8時間の睡眠を確保することを目標にしましょう。
8時間でも、子どもたちの脳がしっかりと休まり、記憶が定着しやすくなります。
中学受験塾上位クラスの子どもたちは、しっかりと1日平均8時間以上の睡眠を取っているケースが多いことがわかっています。
十分な睡眠は、脳のリフレッシュと情報整理に欠かせません。
夜遅くまで長時間勉強するよりも、寝るべき時にしっかり寝て、良質な睡眠をとることが成績が向上につながることを、上位クラスの親御さんは知っていて、それを実践しているのです。
では、1日平均8時間の睡眠時間を確保するためには、具体的にどうすれば良いのでしょうか。
その鍵は、「塾がある日の帰宅後の段取り」にあります。
21時まで塾の授業があっても、この段取りであれば、1日平均8時間の睡眠時間を確保できます。
【中学受験塾に通う6年生の理想的なスケジュール例】
これであれば、塾がある日も睡眠時間をしっかり8時間確保できます。
ポイントは、塾からの帰宅途中に、お子さんにその日の授業内容を話してもらうこと、帰宅後の復習は「見るだけ」にとどめ、その代わりに翌朝10分間の学習時間を設けていることです。
帰宅後に、鉛筆とノートまで出して学習に取り組み始めたら、到底5分では済みません。
「塾でやったところをもう一度復習する」
「間違えた問題を、できるようになるまでやる」
というように、復習の内容を「量」で決めてしまうと、睡眠時間を削らなくてはいけなくなります。
やるべき「量」で決めるのではなく、学習に取り組む「時間」で決めます。
就寝前の5分間、数時間前に塾で取り組んだテキストを、
「あぁ こんなことやったなぁ」
と眺めるだけ。たった5分間でも十分な復習効果があります。
いかがでしょうか
「授業のことを聞いても何も答えないし、復習が”読むだけ”なんて不安!うちの子には無理!」
と思われた方も多いでしょう。
どうしてもしっかり机に向かって取り組ませたいと言う場合の代替案はこちらです。
【現実的な代替スケジュール例】
睡眠タイムマネジメントにおいて、非常に重要な心得がふたつあります。
ひとつめは、お子さんに早く寝ることを強制しないこと。
睡眠平均8時間を目標にしますが、お子さんに対して
「早く寝なさい」
と言ってはいけません。
叱られながら床に着いても、良い気持ちで1日を終えることはできませんし、ましてや「早く寝なくちゃ」と焦ることで、ますます眠れなくなってしまうものです。
21時まで塾で勉強していたわけですから、クールダウンして眠りにつくまで、それなりの時間がかかる場合もあります。
それでも毎日必ず決まった時刻に寝室へ行き、お子さんにはこう声をかけます。
「すぐに眠れなくてもだいじょうぶだからね。暗いところで横になっているだけで、目と脳は休まるから。今日も1日がんばりました。明日も良い日になりますように。」
1日の終わりは自分を褒めて、明日のために寝る。という習慣をつけましょう。
ふたつめは、朝は絶対に怒らない、叱らないこと。
親御さんがお子さんを起こすときは、優しく、明るく、言葉をかけてあげましょう。
「はやく起きなさい!」
と怒った口調で起こされては、最悪な1日の幕開けとしか思えません 笑
(今日も良い1日になりますように)という気持ちを込めて、笑顔で「おはよう!」。
これは親御さんにとっても、良い1日の幕開けとなります。
受験期は、親御さんも忙しい時間を過ごすことと思います。
しかし、お子さんのサポートをするためにも、親御さん自身の睡眠時間をしっかり確保することが大切です。
親御さんが規則正しく健康的な生活を送ることで、家庭全体が落ち着いた雰囲気になり、お子さんも安心して受験勉強に集中できるのです。
「睡眠時間を削ってでも勉強させるべきか?」という疑問に対する答えは、非常にシンプルです。
学力向上のためにも、心身の健康のためにも、十分な睡眠は不可欠です。
睡眠不足は脳の働きを低下させ、結果として学力の伸びを妨げてしまいます。
週単位で考えて、少なくとも1日平均8時間の睡眠を確保することを目指しましょう。
親御さんにとっても、日々のサポートを持続するために十分な睡眠が重要です。「あれもやらなくちゃ、これもやらなくちゃ」と焦る気持ちはよくわかりますが、短期的な焦りではなく、長期的な視点でお子さんの学力向上や、受験当日の集中力と健康を最優先に考えましょう。
しっかりとした睡眠習慣を家族全員で整えることが、受験成功への鍵です。
最後に、受験はお子さんにとってタイムマネジメントスキルを向上させる絶好の機会でもあります。この機会を通じて、生活リズムと学習のバランスを大切にし、家族みんなでサポートし合いながら前進していきましょう!
最後までお読みくださり、ありがとうございます。
私にできることが、少しでも皆さまのお役に立てたらと、精一杯心を込めて書きました。
中学受験は、お子さんにとっても、ご家族にとっても、非常に大きなイベントです。
私は、中学受験がお子さんにとって、
「あの時、本当に一生懸命勉強したなぁ」
と思える経験となれば、そのお子さんの一生を支える、大きな「自己信頼の土台」となると信じています。
また、中学受験は、学習内容だけでなく、タイムマネジメントや自己管理能力も養う場です。その努力の過程で得られる小さな成功体験の積み重ねや小さな挫折からの回復は、お子さんに大きな成長をもたらします。
入試のあと「中学受験してよかった」と感じられますように、中学受験生とそのご家族を、心より応援しています。
このブログの感想やお子様に関するモヤモヤ、お悩みなどをお聞かせください。
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