こんにちは
2ndスクールオンライン 教室長の奥田みほです。
東大生は、親に『勉強しなさい』と言われたことがないといいますね。
ただしこれは、『勉強しなさい』と言われたことがないから、全く勉強しなかったけれど、地頭が良いから東大に合格できた という話ではありません。
東大のような難関大学に合格する人の親は、子どもに”〜しなさい”という言い方をしないのです。
何かを伝えるときでも、命令口調になることはありません。
親に勉強をするように命令されないから、勉強は子どもにとって「自分ごと」になります。
自分で「勉強すべき」と考え、自分で「勉強しよう」と行動を起こします。
いかがでしょうか?
皆さんのご家庭ではどうでしょう?
帰宅後すぐに
「あそびに行く前に宿題をやってしまいなさい」
なかなか宿題を始めないお子さんへ
「ゲームはもういいかげんやめなさい」
お夕飯の途中で
「残さず食べなさい」
お夕飯が終わったら
「お風呂に入りなさい」
お風呂から出たあとは
「早く寝なさい」
お子さんが学校から帰ってきてから寝るまで、ほとんど全てが
「〜しなさい」モード
の声かけだったりしませんか。
お子さんの立場になってみてください……うんざりですよね。
「いまやろうと思っていたのに!
あー! うるさいうるさい!
やる気が失せたわ!!!」
と反論するお子さんの気持ちもわからなくはありません。
それにしても、どうしてお子さんに対して『命令口調』になってしまうのでしょう。
同僚や上司には、そんな言い方はしませんよね。
不思議ではありませんか?
今回は、中学受験に取り組む親御さんへ向けて、
『どうして子どもに命令してしまうのか』について解説します。
「〜しなさい」を連発するほうも心がすり減っていきます。
その心理メカニズムを理解して、ちょっとした工夫を実践すると、お子さんと円滑なコミュニケーションができるようになります!
では、詳しくみていきましょう。
お子さんに対して、命令口調になるのは、あなただけではありません。
何も意識せずにお子さんに接していると、誰しも命令口調でお子さんに接することになります。
なぜならば、そうなるには3つの理由があるからです。
親は子どもに対して、『即時の服従』を求める傾向があります。
お子さんがまだ歩き始めたの1歳前後の頃、不意に危険なものを触りそうになったとします。
そのとき、親御さんはどうしますか?
「あ! あぶない!」
と声をかけますね。
するとお子さんはびっくりして、すぐ伸ばした手を引っ込めます。
この良い意味での『即時の服従』があるからこそ、お子さんの安全が守られるのです。
でも、お子さんが大きくなって、ある程度は自分のことは自分でできるようになっても、親御さんはお子さんに対して『即時の服従』を求める癖が抜けないのです。
お子さんがどんどん成長しているのに、親御さんは「1歳のママ(パパ)」の意識のままなので、つい「〜しなさい」を連発してしまいます。
大人と子どもでは、流れる時間のはやさが違います。
大人が行動を促す声かけをするときは、大抵「すぐやってね」というニュアンスが含まれますが、子どもはそれがわかりません。
はっきりと「いますぐやってね」と言葉で伝えたとしても、「すぐ」の長さには個人差があります。
往々にして、子どもの「すぐ」は、大人の「すぐ」の5倍以上の時間がかかります。
ここの認識違いがあるため、大人はますますイライラを募らせます。
ついに目を釣り上げて
「言われた通りにしなさい!」
と、大きな声を出すことになります。
でもこどもは
「へ? 何に怒ってるの?」
としか思わないのです。
お子さんに対してアプローチする際に、つい口調が早くなり、命令するような言い方になるのは、親御さんが忙しすぎるからです。
【きちんとお子さんの目を見て話し、その反応を見て、適切な言葉を選ぶこと】
このプロセスが重要なのですが、物理的にも心理的にも余裕が無いのです。
フルタイム勤務で残業ありの親御さんの忙しさは想像以上です。
夕食の準備と後片付け
連絡帳や宿題のチェック
お子さんの入浴準備、就寝準備
この他に掃除、洗濯、親御さんご自身の食事、入浴、翌日の準備、就寝……タスクが満載です!
各ご家庭事情はさまざまでしょうが、いま親御さんがやっていることの一部を”アウトソーシング”してみませんか?
日頃から、親御さんがやっていることは、どれも必要なことですが
を分類し、親御さんでなくてもできることは、極力アウトソーシングしてしまいましょう。
【きちんとお子さんの目を見て話し、その反応を見て、適切な言葉を選ぶこと】
これが実践できるようになってくると、次第に命令口調が減ってきます。
お子さんに対して、つい命令口調になってしまう心理メカニズムと、そのコミュニケーションは、決して良い結果を生まないことを、ご理解いただけたでしょう。
心理メカニズムの知識を得て、親御さんの多忙を軽減し、環境を整えられたら、あとは実践です!
帰宅後すぐに
「あそびに行く前に宿題をやってしまいなさい」
↓
「今日も宿題あるんでしょ。本当によく頑張っているね。」
宿題の存在を、お子さんが意識するだけでOK
なかなか宿題を始めないお子さんへ
「ゲームはもういいかげんやめなさい」
↓
「何時から始める? お夕飯の前?後?」
お夕飯の途中で
「残さず食べなさい」
↓
「今日のごはんもおいしくできたでしょ」
お夕飯が終わったら
「お風呂に入りなさい」
↓
「どういう順番でお風呂に入ったらいいと思う?」
お風呂から出たあとは
「早く寝なさい」
↓
「まもなく消灯でーす」
お子さん自身が
「あ、そうだった」と気づき
自ら行動し始めるのが理想です。
はじめからうまくいくとも限りません。
時間の使い方だって、小さな失敗を経験しながら自分で模索し、確立していくものです。
親御さんとお子さんでは、
生きてきた時間が何十年も違うのです。
親御さんにとって「あたりまえ」のことでも、お子さんにとっては「いまはまだできない」かもしれません。
「できない」とレッテルを貼って、叱っても怒っても、何も生まれません。
「できない」ではなくて
「いまはまだできない」です。
お子さんが行動しやすく、安全に失敗できる環境を整えた上で、
「いつかきっとできるようになる」
と信じて待つ。
これが、お子さんの自立のために重要なことです。
最後までお読みくださり、ありがとうございます。
私にできることが、少しでも皆さまのお役に立てたらと、精一杯心を込めて書きました。
このブログの感想やお子様に関するモヤモヤ、お悩みなどをお聞かせください。
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学年途中での転塾は原則的に勧めません。
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