こんにちは
2ndスクールオンライン 教室長の奥田みほです。
「こんなに時間とお金をかけて、偏差値30台の学校にしか合格できないならば、中学受験する価値は無いんじゃないかと思うのですが、どうですか?」
年間100件以上の保護者カウンセリングを承っていますが、GS特訓が終わってから夏期講習までの期間に、多く寄せられる親御さんからのご相談です。
「受験せずに学費負担がない公立中学に進学できるのだから、偏差値30台の私立校に高い学費を払って進学する意味を見出せない」
という親御さんの気持ちも理解できます。
今回は、偏差値30台〜45の私立中学校を受験する価値と、お子さんの進学先決定の際のマインドセットについて解説します。
中学受験に取り組む5年生と6年生の親御さんに役立つ内容となっています。ぜひ最後までご覧ください。
偏差値30台というと、受験というシーンでは「全然ダメ」というイメージを持ってしまいがちですが、中学受験偏差値においては、それは当てはまりません。
なぜなら、中学受験偏差値は、全国の小学生を対象とした偏差値ではないからです。
中学受験に取り組もうと、中学受験模試を受けた小学生の平均点を50とした偏差値です。
中学受験偏差値30台を、高校受験偏差値に換算すると、偏差値50〜60台に相当します。
実際に、都内の私立女子校K学園の偏差値をみていきましょう。
(学校名は控えます)
【中学受験偏差値】
四谷大塚Aライン80偏差値 33〜37
【高校受験偏差値】
Vもぎ偏差値 50〜57
※偏差値に幅があるのは、入試が複数回行われるためです
もちろん、中学入試と高校入試は別物ですので、厳密には比較することはできませんが、この後の大学受験を見据えた「全体における立ち位置」はご理解いただけると思います。
中学受験偏差値の30台は、決して悪い成績ではありません。
中学受験の志望校を決める際には、どうしても「名前を知っている学校」に目が行きがちです。
「名前を知っている学校」とはつまり「有名校」。往々にして「難関校」になりがちですよね。
難関校として有名でなくても、良い学校はたくさんあります。
なぜならば、私立中学には公立中学にはない大きな魅力があるからです。
これから、私立中学と公立中学の違いをみていきましょう。
私立中学にも公立中学にも「校風」はありますが、私立中学の「校風」は、公立中学のそれと比較して、しっかりと守られ、引き継がれていく大切なものをなっています。
伝統校はもちろんのこと、創立まもない新興校であってもそれは変わりません。
お子さんがその学校を卒業して、大学生になっても、社会人になっても、それは変わらずに代々引き継がれていくものです。
中学受験経験のある親御さんが、お子さんの志望校にご自身の出身校を選ぶ傾向にあるのも頷けるでしょう。
私立中学の、いつまでも変わらない校風や教育理念は、6年間そこで過ごすお子さんのアイデンティティー形成に、大きく貢献しているはずです。
公立中学の教員は、一定の期間を経ると別の中学へ異動する決まりとなっています。
一方、私立中学は、同じ先生がずっと同じ学校にいることができます。
私立中学出身の親御さんで、「自分の担任だった先生が校長先生になっている」という経験をしている方もいらっしゃるでしょう。
社会人になったときに、同郷で話が盛り上がるのと同じように、同じ私立中学出身ということで話に花が咲くこともあります。
私立中高一貫校には高校受験がありません。
中高の6年間を通してカリキュラムが組まれている学校がほとんどです。
中学1年から高校2年までの期間に、中学1年生から高校3年生までの課程を学習し、高校3年生は大学受験のための演習に集中する学校も少なくありません。
一方で、公立中学は中学3年生で高校受験を経験します。
学校にもよりますが、高校入試日を迎えた時点で、まだ中学3年生の教科書を終えていない学校が多いように見受けられます。公立高校も似たような傾向があります。
中学受験をして入学する私立中高一貫校は、6年間の授業カリキュラムの中に大学受験のために必要な項目が組み込まれています。
公立中学、公立高校は、学校の授業の外側に受験があるような印象です。
もちろん、その内容は学校によって異なりますので、一概に私立中学が良いとは言えません。
進学先を決める際には、校風や教育理念だけでなく、授業カリキュラムや進学実績もチェックしましょう。
私立中高一貫への進学と公立中学への進学の違いを述べました。いかがでしょうか。
私としては、中学受験に取り組もうとご家族で決意し、塾へ通い、模試を受けて…このプロセスを中断して公立中学へ進学するのは、もったいないと感じざるを得ません。
中学受験に向けて歩き出したら、最後まで!が私の考えです。
ただし、お子さんが中学受験をひどく嫌がって、笑顔が見られない、不眠や食欲不振などの身体症状が出ている時は、この限りではありません。
早急に専門家へ相談することをお勧めします。
「偏差値30台」という部分だけを見ると、平均点よりずっと下で絶望的になるお気持ちは理解できます。でも、中学受験における偏差値30台は、心配するような成績ではありません。
「志望校は偏差値だけで選ばないこと」
偏差値は志望校選びの要素のほんの一部です。
ましてや「偏差値30台の学校への進学は無意味」などと、その学校とそこに通う方々に対して、大変失礼な考え方ではないでしょうか。
通塾していると、偏差値や在籍クラスなど、「わかりやすいもの」に目が行きがちなのは十分理解できます。
中学受験は、お子さんの成長における1シーンです。
そこに「わかりやすいもの」で全てを評価するような考え方を持ち込むのは、お子さんの成長に良い影響を与えません。
中学受験のさなかにいると、誰しも視野が狭くなりがちです。
「もっと視線を引いて、俯瞰してものごとを見るように!」
と常に意識する努力が求められます。
では、志望校選びはどのように?
大学入試改革を踏まえて、各私立中学・高校は卒業後の進路に特に注力しています。
ただし、こちらも大学の偏差値という「わかりやすいもの」で全てを評価するような考え方に嵌まらないように、十分注意してくださいね。
特に大学受験のとき、お子さんはもう高校生になっています。
親御さんの言いなりにならないばかりか、親御さんの意思の「逆を行く」と思うくらいがちょうどよいでしょう。
繰り返しますが、中学受験真っ只中にいる親御さんは、どんどん視野が狭くなっていきます。
誰しもそうなります。
そこを十分に理解し、常に俯瞰して物事を捉えるように、意識する努力が求められます。
中学受験を終えた親御さんの多くが
「あのときの私、ちょっと変だったんです」
とおっしゃいます。
そうなるのは、お子さんに対する愛情が深いから。そして、そうなってしまうほど、中学受験はみな真剣であり過酷でもあります。
お子さんの、本当の意味での「学力向上」の9割は、親御さんのメンタルです。
周りを頼り、周りを上手に巻き込んで、中学受験を乗り切りましょう。
中学受験を親子の良き経験にできますように、応援しています!
最後までお読みくださり、ありがとうございます。
私にできることが、少しでも皆さまのお役に立てたらと、精一杯心を込めて書きました。
このブログの感想やお子様に関するモヤモヤ、お悩みなどをお聞かせください。
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