こんにちは
2ndスクールオンライン教室長の
奥田みほです。
このシリーズは3回目となります。今回は「絵本の読み聞かせ」についてです。
頭の良い子に育つには
「絵本の読み聞かせが良い」
と聞いたことがあるかもしれませんね。
実際に、たくさんのお子さんと親御さんと関わってきた経験から、幼い頃に親御さんが絵本の読み聞かせを習慣にしていたお子さんは、特に国語の成績が良く、全体的な学力も高めなことが多いです。
また、中学受験における難関校の国語入試問題は、約5,000〜10,000字の文字数です。学校側が「読める子」を求めていることがわかります。
そのせいでしょうか、
「うちの子、絵本を読んであげても、じっと座って聞いていられないんです。」
という相談もよく受けます。
お子さんが絵本をあまり読まないことを心配している方は多いですね。
今回のブログでは、以下の2点について解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、参考にしてください。
「絵本の読み聞かせ」には、大きく2つの効果があります。
詳しく見ていきましょう。
(1)言語能力の発達や語彙力の増加
絵本は豊かな言語表現やストーリーテリングが用いられています。
絵を見せながら読み聞かせることで、子どもたちは新しい言葉やフレーズを学び、正しい文法や文脈を理解する力が養われます。
また、様々な単語や表現を、絵との結びつきを通じて楽しみながら習得することができます。
たとえば、「おおきなかぶ」(福音館書店)の「うんとこしょ、どっこいしょ。ところがかぶはぬけません」のフレーズが何度も繰り返され、かぶを引っ張る人数(犬、猫、ネズミもいますが)どんどん増えて列が長くなっていくのは、なんともワクワクドキドキする展開ですよね!
(2)集中力や想像力の育成
読み聞かせは、子どもたちの注意力や集中力を養います。
ストーリーに興味を持ち、絵やページに書かれた文字を追いながら聞くことで集中力が高まります。また、描かれた登場人物の様子や背景は、子どもたちの想像力を刺激します。
絵本の世界に没入しながら、自分の心の中で自分なりのイメージやストーリーを発展させていきます。
「おおきなかぶ」では、あたかも自分も一緒にひっぱっているかのように、手に力が入ります。最後の
「やっと かぶはぬけました。」
のページで、はぁ〜と、絵本のキャラクターと一緒に脱力し、達成感たっぷりの笑顔になります。
うちの子には無理!
うちの子は集中力がないんです。
だって、読み聞かせをしていると逃げちゃうんですから!
と思った方へ
絵本の読み聞かせをすると言っても、子どもに「座ってじっと聴く」ことを要求しなくていいのです。
1日に2冊、とにかく読み聞かせを行います。
お子さんが立ち歩こうが、部屋中を奇声を上げながらバタバタと走り回ろうが、安全面さえ担保できていれば、まったく問題ありません。
お子さんがどのような状態でも、とにかく2冊読み切ってください。
声に出して読んでみると…なかなか気持ちが良いものですよ。
絵本を声に出して読むのを楽しんでいる親御さんと、お子さんが同じ空間に居るだけで、十分「読み聞かせ効果」があります。
なぜならば、お子さんにとって、特に「お母さんの声」は特別な音声なのです。
そして、同じ空間に居る親子は、不思議なことに心が同期するんですよね。
親御さんの声による読み聞かせは、子どもたちに安心感や愛情を伝えることができます。
お子さんにとって、一生でこの期間限定の特別な経験です。
何度か続けていくうちに、いつのまにか親子ともゆったりした気持ちで、絵本を楽しめるようになります。
いえいえ、そんなに甘くないです!
どうしてもうちでは絵本を読むことが難しい!!
そんな方へ、ご紹介したいエピソードがあります。
私の知人から聞いた、お子さんと絵本にまつわる素敵なエピソードを披露します。
その方は、とにかくじっとしていない元気なお子さんだったとのこと、保育園の行き帰りに歩きながら「ニセモノ絵本」という、その場の雰囲気で創作したお話を聞かせていたそうです。
「今日は何の話にするー?」
とお子さんに聞いて、
両手を本のように開いて話し始めるのだそうです。
そのうちに、お子さんのほうからお話を作ってくれたり、「ニセモノ絵本」の絵を描いてくれたり…。
なんて素敵なことでしょう!
親御さんがお子さんに向けて創作のお話をすると、お子さんは自分が特別な存在であると感じることができます。
いわゆる自己肯定感です。
物語の内容やキャラクターについて考えたり、自分なりの考えや感想を言葉にすることで、お子さんの言語能力や思考力がますます発展します。
このように、読み聞かせはきちんと座っていなくてもよいですし、市販の絵本である必要もありません。
お子さんにとって、親御さんから「正しく美しい言葉」を聴き、ものがたりの楽しさを共感し、ともに想像する環境が大切なのです。
読み聞かせをするときは、家にあるデジタルデバイス(スマホ、タブレットの通知、大画面テレビ等)を一時的にオフにします。
1日のうちで、絵本を読む時間だけでも、デジタルデトックスの時間にしましょう。
読み終わった本は、お子さんがいつでも手に取れる場所に置いておきます。
お子さんが絵本をなかなか手に取らなくても気にしないこと。
「そこに絵本がある」ということに意味があるのです。くれぐれも絵本を読むことを強制しないようにしてください。
親子で読み聞かせを楽しみながら、正しく美しい日本語を身につけて欲しいと願うならば、絵本選びは気になるところです。
私のおすすめは、福音館書店の「こどものとも」シリーズです。
こちらは月刊誌で、毎月1冊ずつご自宅に配本されます。
冒頭で引用した『おおきなかぶ』や『ぐりとぐら』『はじめてのおつかい』『きんぎょがにげた』は、この月刊誌から生まれました。
詳しくは、以下のリンクをご参照ください。
絵本は図書館や書店で購入しても良いのですが、自分で選ぶとどうしても同じようなものばかり選んでしまいがちです。
その点、月刊誌は自分では選ばないような絵本に出会う良い機会となります。
お子さんが嫌がらなければ、いつまでも続けてください。
ちなみに私の場合は、絵本だけでなく、児童書の読み聞かせもしていました。
児童書を一度に1冊読むのは、さすがに長いので、1日数ページ読んで「この続きはまた明日」と本を閉じます。
「私が読みたいから、勝手に声に出して読んでいるだけ」
というスタンスで、おそらく5年生の秋くらいまでは読んでいたと思います。
寝る前に本を声に出して読むと、すっと気持ちが落ち着いてよく眠れるんですよ。
子どもはわかりませんが、
私は、講談社「火の鳥伝記文庫」の「ノーベル」と「ライト兄弟」が特に印象に残っています。
詳しくは、以下のリンクをご参照ください。
https://aoitori.kodansha.co.jp/hinotori/
さて、このブログをお読みくださっている中学受験保護者の皆さまへ
0〜6歳の絵本の読み聞かせについて、いかがでしたでしょうか?
ひとつご提案です。
もしいま、国語の読解や算数の文章題で得点できないとお悩みでしたら、是非、設問を親御さんが声に出して読んで差し上げてください。
ひとりで黙読して解けなくても、設問を耳から聞けば解けることが多いです。
自力で読もうとすると、そもそも、ある程度の量の文字を読むのに慣れていないため、
「いやだなぁ」
という気持ちと、文字量に気圧されてしまうからです。
読めていないまま解くから、算数では適当に数字を使って根拠のない立式をしたり、国語では選択肢に登場した単語だけを見て、「ひっかけ選択肢」を選んだりしてしまいます。
幼い頃に、忙しさのあまり読み聞かせができなかったとしても、ご自身を責めないでくださいね。
いまからでも遅くありません。
宿題の設問を読んであげるなど、できるところから始めてみてください。
また、中学受験国語の長文読解で取り上げられる文章には名作と言われる本も多いです。
それらを購入し、1日数ページずつ読み聞かせるのも良い方法です。
どうしてもじっくり本を読む時間が確保できない場合は、塾の送迎の往復中に車の中で朗読音声を聴くのも良いでしょう。
ご家族のライフスタイルに合わせて、バランスよく読み聞かせ(正しく美しい言葉を目で読み、耳から聴く)を取り入れましょう。
すべての保護者の方へ
中学受験に取り組んでいると、ついテスト対策や偏差値に焦点を置きがちです。
子どもが本当の意味での学力(=学ぶ力)を身につけるには、テストで正答するための知識を教え込むだけではなく、お子さんが自然な形で自ら学ぶ機会や興味を引く環境づくりが大切です。
絵本や児童書との出会いは、お子さんにそれらを提供する優れた手段の一つです。
学習環境を「豊かにする」ことは、お子さんの学力向上や成長にとって非常に有効です。
どうしても目的や手段に目が行きがちですが、「環境づくり」という視点で、お子様とコミュニケーションを重ねていきましょう。
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
私から伝えられることは精一杯お伝えしたつもりです。
ひとりでも多くのお子さんや親御さんが、「笑顔の中学受験」を経験できますように、陰ながら応援しています。
「偏差値55までなら誰しも届く」というのは本当のことです。
次回は
「気持ちの代弁と問いかけ」
についてお伝えします。
多くの方から「うちの子、どうも考える能力がないみたいです」というご相談が寄せられています。
では、どうしたらよいでしょうか?
次回のブログを、どうぞお楽しみに!
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