春になると、塾のサイトトップから
「合格実績 開成 XXX名!」
という文字が目に飛び込んできます。
それらを見ていると、合格実績で塾を選びがちです。
「受験するなら難関校合格者数が多い有名塾に入らなくちゃ。」
「難関校かそのすぐ下の偏差値帯の学校に合格できなければ、中学受験の意味なし。公立で十分。」
という考えに陥ることも。
このような「All or Nothing思考」で塾を選び、志望校を決めるのはおすすめできません。
なぜならば、
中学受験塾の価値は、難関校の合格者数だけでは察れないからです。
そもそも中学受験の目的は難関校・有名校の合格だけではありません。
合格だけが目的ならば、受験しないほうがいいです。
合格か不合格か といえば、それは合格のほうが嬉しいですし、私たち受験カウンセラーや塾講師も、合格を目指してご支援します。
でも、合格だけが目的で、もし不合格だったら… その受験は無駄だったということなのでしょうか。
そうではありません。
そんなことはあってはいけないのです。
中学受験の親御さまにお聞きします。
こんなことをお子様に言ったことはありませんか。
「偏差値45以下の学校しか受からないなら、受験する意味がない」
「受験が終わるまでゲームは禁止」
「いま勉強して大学附属中に入っておけば、後が楽だから」
お子様の成績が思うように上がらないときに、つい言ってしまいがちです。
でも、このような発言は非常に危険です。
なぜこのような発言が危険かというと、お子様の受験が、親御さまの価値観(外発的動機)によってなされることが懸念されるからです。
「偏差値45以下の学校しか受からないなら、受験する意味がない」(=他者からの評価)
「受験が終わるまでゲームは禁止」(=他者からの褒美と罰)
「いま勉強して大学附属中に入っておけば、後が楽だから」(=他者からの評価と褒美)
外発的動機づけのみで取り組むと、受験が終わったときに、何も残りません。
「第一志望校に合格できたら成功体験が手に入るでしょ」
そう思われるかもしれません。
しかし、違うのです。
「難関校に合格したい」
という外発的動機づけ(難関校=他者の評価)の結果、第一志望校に合格したとします。
「難関校合格」が手に入ると、動機がそこで消滅してしまいます。
動機が無くなってしまった状態で入学し、一年も経たないうちに退学してしまう人は少なくありません。
外発的動機づけだけで受験に取り組むと、何も残らないのです。
外発的動機づけが、受験のきっかけになるのはよいですが、それだけが目的になってはいけません。
外発的動機づけの対義語は、内発的動機づけです。
受験における内発的動機づけの例は
これらは受験が終わったあともずっと心の中で継続し、さらに発展していきます。
お子様を明るい未来へ導くものとも言えます。
このように受験の目的とは、親、友達、先生との関わりを通して、
「心の内側から自然に現れる感謝や達成感」
に気づくことではないでしょうか。
受験だけでなく、どんな活動や行動の際でも、この内発的動機づけを意識してみましょう。
人は往々にして、外発的動機に心を奪われるものです。
偏差値や年収という外発的動機は、様々な価値観が入った瓶の外側に、誰かが貼ったラベルにすぎません。
そこでその瓶の中に入っている価値観、つまり内発的動機づけに注目するのです。
内面に意識を向け、自らに問いかけてみます。
難関校に合格したい。
↓ (深掘り)
難関校合格って、つまりどういうこと?
↓ (深掘り)
塾に行って、たくさん勉強したら難関校に合格できる
↓ (深掘り)
塾に行くと、「受験する」という同じ目標に進んでいる友だちに会える
たくさん勉強するといままで知らなかったことに出会える
↓ (深掘り)
同じ目標をもっている友だちと過ごした教室は、自分にとって気持ちがよい空間だった
勉強して得た知識が、枝葉のようにさらにもっと拡がっていくのが嬉しかった
ちょうど瓶の中を覗くように。
するとものごとの見え方が変わってきます。
この意識を習慣化したいものですね。
最後に、
受験期はただでさえストレスフルな状況になりますので、
「偏差値45以下の学校しか受からないなら、受験する意味がない」
「受験が終わるまでゲームは禁止」
などと外発的なものに振り回されていては、親子で心身ともに疲弊してしまいますよね。
「真剣なまなざしで机に向かう子を応援したいと思う」
「解けなかった算数の問題が解けたときの輝かしい笑顔は尊い」
私たちはいつもこんな気持ちでお子様に接しています。
親御さまにも是非、お子様のその「瞬間」に気づき、心の内側から共感していただきたいのです。
なぜならば、
お子様の学びと成長にずっと寄り添っていると、
その「瞬間」は、その子にとって一度きりなのだ
ということに気づかされるからです。
つい目の前の外発的なものごとに心を奪われがちですが、もっとお子様の心の動きに目を向けましょう。
「ママ、見て!」
「パパ、見て見て!」
とキラキラした瞳で何かを指差す 幼い頃のお子様を思い出してください。
その時もいまも基本的には同じです。
親御さまにその「瞬間」をいつも見てもらえること。
そして見守ってもらえること。
それがお子様にとって一番の願いなのです。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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