こんにちは
2ndスクールオンライン教室長の
奥田みほです。
うちの子、 考える能力が低いのよ。
何かにつけて
「わかんない」
「忘れた」
たぶん語彙力がないのよね。
だから国語の成績もひどいのよ。
ゲームばかりで本も読まないし!
「ない」が3つも並んでしまいましたね!
【偏差値55は誰しも届く】
今回はシリーズ4回目です。
いままでの投稿
(1)将来の中学受験に向けていまからできること
いずれも、乳児期・幼児期における、大人からの声かけの積み重ねの結果なのです。
0〜6歳のお子さんをお持ちの保護者の方へ
将来の中学受験で求められる、語彙力、読解力の基礎づくりのために、いま心がけるべきことをお伝えします。
7歳〜12歳、13歳以上のお子さんをお持ちの保護者の方へ
乳児期・幼児期は過ぎてしまいましたが、いまからでも遅くありません。
日常生活において、または受験勉強におけるお子様との関わりにおいて、少し工夫をしてみましょう。
ちょっとした工夫で、少しずつ少しずつお子様の語彙が増えていきます。
地球上の生物において、「言葉」を持っているのは私たち人間だけです。
(動物同士も言葉のようなものでコミュニケーションしていると言われますが、私たちが使っている「言葉」とは少し異なるようですね)
乳児期・幼児期に、周りの大人からの声かけにより「言葉」を獲得し、その能力をより深めることを教養といいます。
教養は、子どもの人生を豊かにします。
では実際に、
どのような声掛けをすればよいのでしょうか。
4歳の例
こども「今日ね、幼稚園にくまが来たの」
おとな「何言ってるの。幼稚園にくまが来るわけないでしょ。変な子ね!」
小学生の例
こども「今日、塾でね。XXくんが小テストで満点だったんだよ」
おとな「XXくん さすがね!あなたも見習ってがんばりなさい。」
いかがでしょうか
これでは、会話が続きませんね。
子どもが何かを話すときには、その言葉を発したい、何かを伝えたい気持ちがあるのです。
それらを読み取り、引き出す声かけをしたいものです。
では、どのようにしたら良いのでしょうか。
具体例をみていきましょう。
4歳の例
こども「今日ね、幼稚園にくまが来たの」
おとな「え?そうなの?幼稚園にくまが来たの?」(反復)
こども「そう、それでね、一緒にお弁当を食べたの」
おとな「へぇ くまと一緒にお弁当食べたの。くまさん、どんなお弁当だった?」(精緻化への質問)
こども「んーとね、、、わかんない」
おとな「くまさんのお弁当、大きかった?小さかった?」(イメージを引き出す質問)
こども「大きかった! 大きくてね、四角くてね、黄色だった!」
本当に幼稚園にくまが来たのか…?
そこは、あまり問題ではありません。
子どもが活き活きと、自分が持っている言語をフルに使って伝えようとすることに意味があります。
(くまの真相はきっと、会話が進むにつれて次第にわかってくるでしょう)
小学生の例
こども「今日、塾でね。XXくんが小テストで満点だったんだよ」
おとな「へぇ XXくん、小テストで満点だったの」(反復)
こども「それでね、XXくん、塾に行くときに電車の中で勉強しているんだって!」
おとな「そうなんだ。電車の中で勉強しているの。
電車の中は、集中して勉強が捗る条件が揃っているとどこかに書いてあったかも」(反復と新しい情報)
こども「そうなの?私もやってみようかな」(新しい情報に対する意味づけ)
こども「だけどね、乗り過ごして塾に遅刻したこともあるって、XXくん言ってた!」(新しい情報)
おとな「乗り過ごしちゃったの。それほど集中していたんだね」(反復と意味付け)
子どもの年齢にかかわらず、基本的に大切なことは、「反復」と「精緻化」です。
「反復」とは、同じ言葉をそのまま返す、いわゆる「オウム返し」のことです。
子どもの発語に対して、それを「反復」することで、子どもは、自分の言葉を相手が受け止めてくれたと安心します。
そして、はじめの「発語」から、もっと詳しく深く言葉がつながっていくように、「精緻化」のための声かけを行なっていきます。
4歳のケースでは、
「んーとね、、、わかんない」
言葉が見つからないときも、できるだけ待ってあげましょう。
ときには
「くまさんのお弁当、大きかった?小さかった?」
のように、子どもが体験したことを振り返り、思い巡らすきっかけ作りをしてあげてもよいですね。
小学生では、さらに声掛けによる効果の幅が広くなります。
このような「反復」+「精緻化」のアプローチは、カウンセリングや心理的な支援の分野においても、一般的な技法として用いられます。
言葉の力を通じて相手の気持ちや意見を探求し、より深い洞察や共感を生み出すのです。
親子のコミュニケーションにおいても、このようなスタイルを取り入れることで、子どもの発達や関係性の良好な構築に役立ちます。
0〜6歳のお子さんをお持ちの保護者の方へ
この時期の子どもは、叱られたり注意されたりしたときに、黙り込むことが多いですね。
厳しく叱られたわけでなく、優しく諭しただけでも、貝のように口を閉ざします。
言われた自分を格好悪いと思ったり、悔しい気持ちを、まだ言葉にすることができないのです。
こんなときは
「おやつ、バナナとカステラどちらがいい?」
など、気持ちの切り替えをはかりましょう。
軽めのマイナス感情であれば、おやつを食べてスッキリして終わり。
少し尾を引きそうな重めの感情であれば、子どもが落ち着いてから
「さっきは言いすぎたかな、ごめんね」
と、おとなが謝ってから、子どもの気持ちを聞いてあげましょう。
7歳〜12歳、13歳以上のお子さんをお持ちの保護者の方へ
反復+精緻化アプローチを、あまりに意識しすぎると、子どもに詰問するような雰囲気になってしまうことがあります。
子どもの様子をよく見て、心を感じとりながらコミュニケーションしましょう。
特に、中学受験期においては、親子の会話が受験中心のセンシティブな内容になりがちです。
中学受験関連の会話をしていると、会話の途中で子どもが黙り込むことがあります。
黙り込まれてしまうと、焦って
「何か問いかけなくちゃ!」
と思ってしまいますが、そんな心配はありません。
沈黙には大きく分けて2種類あります。
ひとつは
「もう話したくない」という沈黙。
もうひとつは
「考えている」状態による沈黙です。
どちらなのかは、顔の表情や視線などで判断します。
前者だった場合は、一旦話を切り上げても良いでしょう。
後者だった場合は、好意的な関心を持ったまなざしで、発話を待ちましょう。
1分くらい待っても構いません。(沈黙の1分は相当長く感じるかもしれませんが、待ってみましょう)
小学生の例:
こども「明日、塾に行きたくないなぁ」
おとな「明日は塾に行きたくないの?」
こども「うん、行きたくない……」(黙り込む)
どうして行きたくないのか、聞いてみたくなるシーンですが、グッと我慢して、子どもの発話を待ちます。
なぜならば、通塾している小学生ならば、塾へ行くべきだと理解しています。即座に「なぜ行きたくないの?」と返されたら、行きたくない気持ちを非難、否定されたように感じてしまい、心を閉ざしてしまうからです。
1分以上待っても沈黙が続きそうな場合は、こちらから声掛けします。
おとな「塾は火曜日、金曜日、土曜日の3回行ってるよね。明日が火曜日だから行きたくないの?それとも金曜日も土曜日も塾に行きたくないの?」
あるいは、
おとな「塾に行きたくないの?それとも外出したくないという意味?」
このように、状況を整理しながらゆっくりと「行きたくない気持ち」を精緻化していきます。
まだ小学生ですので、自分の気持ちをうまく言葉にできないこともありますね。
そういうときは、
「そっか、例えば行かなくちゃいけないと思えば思うほど、身体が動かない…そんな感じかな?それとも違うかな?」
と気持ちを代弁してみるのも一つの方法です。
ここまでお読みくださいまして、ありがとうございます。
私がお伝えできることを、精一杯お伝えしたつもりです。
子どもと良いコミュニケーションを交わすのは、簡単なことではありません。
丁寧に聞き、丁寧に問いかけ、丁寧に応える。
忍耐力も必要ですね。
前々回のブログでもお伝えしましたとおり、
極力「子どもが起きているときは家事をしない」工夫をして、時間と心の余裕がある状態で子どもと関わりたいものです。
0〜6歳も7歳〜12歳も、
「子育てって大変!」
と叫びたくなることがたくさんあるでしょう。
でも、
この子どもと関われる期間は、ほんの10数年で終わってしまいます。
私が、子どもと一緒に出かけたときに、
「いまは大変かもしれないけどね。ゆったり子育てしてくださいね」
と、よく年配の方に笑顔で声をかけていただきました。
その時は、あまりわかりませんでしたが、いまはその意味がよくわかります。
きっと皆さまも
お子様が大きくなったときに、
「あのとき、もっと余裕をもって関われたらよかった」
そんなふうに思うことでしょう。
いまだけです!
期間限定のかけがえのない時間を、味わい、楽しんでいただきたい気持ちでいっぱいです。
【↓最後にお願い↓】
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