地元の公立中学校が荒れていると聞き、夫と相談して中学受験をすることにしました。
ところが…
子どもの気持ちはいまひとつなんです。
「えぇー 電車で遠い学校に通うの?
友だちと一緒に近くの中学に行きたい」
そもそも、勉強が好きじゃないようです。
学校の宿題をやらせるのも一苦労で、
「いつになったら宿題やるの?!」
「いまやろうと思ったのに!」
と、ほぼ毎日言い合いになっています。
いつになったら、やる気が出てくるのでしょう。
このような相談をよく受けます。
親御さまがお子様のためを思って中学受験をすることを決めたのに、お子様ご本人がまったくやる気がない。
お子様が中学受験をしたくないと言っている。
こうなると、果たして中学受験は、お子様のためになるのか。
中学受験するべきか、しないほうがいいのか、とても悩みますよね。
今まで、偏差値でいうと38〜75まで、いろいろなお子様の学習支援をさせていただきました。
しかし中には
「この子は中学受験をしないほうがいいな」
と思う子もいました。
そういう子に無理に中学受験をさせると、暴れる、自傷などの問題行動を起こしたり、せっかく私立中学に進学しても数ヶ月で学校に行けなくなったりするケースもあるので注意が必要です。
今回は
「中学受験しないほうがいい子」
と、そんなお子様に必要な対応について触れていきます。
中学受験するかどうか迷っている方は、是非ご一読ください。
もしお子様がそれに当てはまっているようでしたら、中学受験は見送りましょう。
勉強に対して劣等感がある子は、どんなに成績が良くても中学受験するべきではありません。
「どうせ私は勉強ができない」
とネガティブな気持ちを抱えている子。
そういう子は、自ら「勉強したい」と気持ちになるなんて、程遠いものです。
学校のカラーテストはいつも満点。
試しに全統小を受けてみたら、初めてなのに偏差値55を超えた!
という子でも、兄弟と比較して
「僕はお兄ちゃんみたいに勉強ができない」
と、劣等感を抱いていたりします。
勉強に関して
こんな様子が見られたら、成績の良し悪しにかかわらず、中学受験しないほうがよいです。
なぜならば、
勉強に対して劣等感がある子は、どんなに長時間勉強しても、家庭教師をつけても伸びないからです。
あらゆる手を尽くしても伸びないならば、お子様にとっても親御さまにとっても中学受験は辛いだけです。
勉強に対して劣等感がある子は、まずは劣等感を取り除く必要があります
ところが、この劣等感というものは、なかなか曲者です。
根っこが深く、ちょっと褒めれば無くなるというものではありません。
なんとか劣等感を無くそうと努力し、「劣等感」を「伸びしろ」に変えるにしても、それには相当な時間がかかるものです。
数年はかかります。
中学受験しようかどうか迷った時点で、もしお子様が勉強に対して劣等感を持っていたら、中学受験は見送りましょう。
ここでスパッと「中学受験をしない」と決めて、小4〜中3の6年間でじっくり時間をかけて劣等感を拭うのです。
具体的に何をすべきか
小学生と中学生に分けてお伝えします。
小学生おすすめの取り組み
家庭学習
先取り学習ではなく、概ね公立小学校の授業と同じ進度のものを、深く学ぶとよいでしょう。
学習指導要領は、子どもの発達に合わせた年齢相応のカリキュラムを想定したものです。
先取り学習では、その年齢では正しく理解できない部分が生じてしまい、その部分はどうしても学びが雑になってしまいます。
子どもの年齢に合った単元をより深めて、思考力を培うことが大切です。
ピグマキッズくらぶ(小1〜小4)
学校の教科書と同じ単元を、思考力問題に落とし込んでいるので学びが深まります。
シールを貼って解答するなど、低学年にも取り組みやすい工夫がされているところも素晴らしい。
七田式小学生プリント(小1〜小4)
七田式といえばフラッシュカードが有名ですが、小学生プリントも隠れた人気教材です
学校の教科書と同じ単元を違う視点から解いていきます。
特に算数は、なんと高校数学へつながっていく内容。
1年分まとめて購入するので、親子共に気合いと意識が高まります。
1日1枚で毎日の学習習慣をつけましょう。
※小1〜小4が特におすすめですが、5年生、6年生用プリントもあります。
なぞぺーシリーズ
大人も思わずうなるような思考力問題がどっさり。
親子で一緒にゲーム感覚で楽しみましょう。
中学生おすすめの取り組み
家庭学習
公立中学校では教科書中心の授業が行われます。
ところが、私立中学では、先生の質が高いのはもちろん、独自教材や早期から大学受験を意識して踏み込んだ学習が行われます。
学ぶ内容は自体は同じですが、公立と私立では、学びの深さのレベルが段違いです。
公立中学に通う場合は、家庭学習に私立中高一貫校で使われる副教材などを使用して学びを深める必要があります。
これらは教科書を販売している書店で購入できます。
(都内の一例:小川書店)
http://www.ogawashoten.co.jp/
このような取り組みを行うことで、公立中学校でクラスで成績上位になり、劣等感を払拭できます。
当然内申点もよくなるので、難関高校を狙うことができます。
無理に中学受験をさせて、子どもを潰すことになるならば、6年間じっくり時間をかけて劣等感を払拭し、高校受験で勝負をかけたほうが絶対に良いです。
フレーズで英単語
中学英語の基礎単語から覚えていきます。
単語ではなく、talk to you のようにフレーズで覚えるので身につきやすいです。
体系数学シリーズ
テキストの解説を丁寧に読んで、問題を解いていきます。
例題を見ながら「自分で解けた」という感覚を確かめながら進めると、大きな力になります。
中学国文法の完成
国語の教科書では文法のページが点在していますが、学ぶべき文法が1冊の本になっています。
品詞と活用はしっかり暗記して身につけましょう。
小・中共通
非中学受験塾へ通塾する
毎日の学習を習慣づけるために個人指導塾に通ってもよいでしょう。
勉強を教えてもらいに行くのではなく、個人指導塾の先生に宿題を出してもらい、翌週先生にそれを見せることを、学びのモチベーションとペースメーカーとして活用します。
毎日学習に取り組む習慣がついていないお子様は、早めの通塾をおすすめします
※個別指導塾ではなく、個人指導塾です。1対1の指導が望ましいです。
小学生の場合、思考力系の教材をお子様に手渡しただけでは、ひとりでは難しくて解けないかもしれません。
一般に市販されている教材は、
「知っていれば解ける」
ものがほとんどなのに対して、これらは
「考えなくては解けない」
ものだからです。
子どもがひとりでは解けないとなると、大人が教える必要はあります。
でも、気をつけなくてはいけないことがあります。
絶対に「最後の答えまで教えない」ことです。
解き方や答えを教えるのではなく、一緒に考えるのです。
お子様と並んで座って、
「どうやったら解けるのかな」
「前に似たような問題をやったことあったかしら?」
と、いろいろと問いかけながら、親御さまも一緒に考えてみてください。
「おかあさん、これはこうやって解くんでしょ。さっきもやったじゃん!」
となればしめたものです。
「おかあさんたら、さっき言ったでしょ、なんでわかんないの?」
やがてこういうことになりますよ。
そのときは素直に負けましょう。
「すごいなー おかあさんはもうあなたに追い抜かれちゃったわ」
こんなふうに本人の
「できた!」
という気持ちと、
「褒められて嬉しい!」
という小さな成功体験を積み重ねます。
するとやがて、劣等感が伸びしろに変わり、
伸びしろが負けん気に変わってきます。
負けん気を手に入れた子は強いですよ。
もう独り立ちです。
どんどん難しいことにチャレンジし、それを楽しめるようになります。
「いつまでに なにを」というモードは一旦置いてください。
勉強に対して劣等感があるから中学受験を見送ったのですから、
親御さまだけ取り組みに力が入って、お子様にますます劣等感を植え付けては本末転倒です。
それだけは十分注意してくださいね。
「教えすぎない」
「問いかける」
を徹底しましょう。
特に小学生の親御さまへ
親子で並んで座って問題を解くなんて、いまだけですよ。
中学生になると
家では小学生の頃とあまり変わらなくても、一歩外に出たら他人のふり
一緒に歩くな
ついてくるな
話しかけるな
黙ってろ
尖ったオーラを突き刺してきますので、いまから覚悟しておいてください。
(少し寂しいですが、正しい成長です)
中学受験を見送ったからこそ手に入ったかけがえのない時間です。
特に前半の小学校時代を、丁寧に丁寧に過ごしてください。
最後までお読みくださり、ありがとうございます。
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