こんにちは
2ndスクールオンライン 教室長の奥田みほです。
中学受験シーズンも佳境を迎えています。この時期、年間を通じてカウンセリングのご依頼が最も多くなります。
6年生保護者の皆さまは、模試やテストの結果、あるいはお子さんの日常の行動に対して
「こんなことで大丈夫なのか」
と大きな不安を抱えていることでしょう。
一方で、4年生や5年生の保護者の皆さまも、新学年に向けた準備や学習の進め方について、同様に不安を感じていることと思います。
今回のブログタイトルには少々煽りの要素を入れていますが、実際に年間100人以上の保護者カウンセリングを通して得た知見に基づいています。
家族が一丸となって受験に取り組み、
「良い経験になった」
とポジティブに捉え、家族全体の成長を実感されたご家庭には、共通する特徴があるのです。
このブログでは、そのようなご家庭を「笑顔の中学受験経験者」と定義し、その共通点についてお話しします。
目次
シーン1. 組分けテストや模試の結果
親御さんが大手塾のテストや模試の結果を見たとき、お子さんに対してどのような声をかけていますか？
- 「なにこの成績！ 私の言うとおりにちゃんと復習しないからよ！」
- 「こんな簡単な問題、なんで解けないの？！」
- 「こんなひどい成績だったら、中学受験をする資格はないわね！」
- 「次のテストで成績が上がらなかったら、中学受験をやめるからね！」
- 「◯◯ちゃんは、ずっとαにいるのに、あなたは下から数えたほうが早いような成績よね。」
こうした言葉をつい言ってしまった経験がある親御さんも多いのではないでしょうか。
中学受験の厳しい環境では、このような発言が出てしまうことも珍しくありません。
しかし、「笑顔の中学受験経験者」のご家庭では、結果に対して次のような声かけをしています。
- 「結果見たよ！こんなに難しい問題なのに、あきらめずによく取り組んだね！」
- 「これからも応援するよ！」
結果が良かったときも、ふるわなかったときも、点数や偏差値ではなく、取り組む姿勢や努力のプロセスに注目して褒めています。
実際、お子さんが使っているテキストをご覧ください。
初見でスラスラと解ける問題ばかりではないはずです。
中学受験において重要なのは、正解・不正解ではなく、難しい問題に真剣に向き合い、粘り強く取り組む姿勢です。
その過程を通じて学ぶ力が身につき、最終的に結果として現れてくるのです。
シーン2. 日頃の家族コミュニケーション
中学受験は、お子さん一人の努力だけで乗り越えられるものではありません。
家族全員が協力し、応援し合う環境が必要です。しかし、現実には次のようなケースが少なくありません。
- お父様お母様の両方がお子さんの宿題の進み具合について叱責する。
- 兄弟姉妹が「弟は全然勉強しない」「中学受験には向いていない」と批判する。
- 家庭内でお子さんの味方が誰一人いない状況が生まれる。
こうした状況が続くと、お子さんが孤立感を抱き、自信を失ってしまう可能性があります。
「笑顔の中学受験経験者」のご家庭では、上手に役割分担をしています。
例えば、
- お母様がテキスト整理や宿題のスケジュール管理を担当する。
- お父様がメンタル面のサポートを担う。
管理担当のお母様がつい感情的に尖った言い方をしてしまっても、その後お父様が
「こっぴどく叱られちゃったね、ママの言い分も理解できるけど…ね」
とあたたかいミルクを差し出し、叱られてクチャクチャになった気持ちに寄り添うなど、それぞれのご性格と得意分野を活かしてチームで取り組むことが、お子さんに心の安定につながるのです。
往々にして感情的になりやすいお母様のフォローをお父様がすることで、家庭内のバランスを保つことができます。
下のお子さんもその姿を見て、家族全体で協力し合うことの大切さを学び、「笑顔の中学受験」を経験できる可能性が高まります。
シーン3. 教育虐待
シーン1で挙げたような厳しい言葉が、さらにエスカレートすると“教育虐待”に発展するリスクがあります。
たとえば、
- 宿題が終わるまで机の横で監視し、解くのが遅いと深夜まで勉強させる。
- テキストを次々と渡して間違えた問題を何度も解かせ、1日5時間以上の勉強を強いる。
- 問題を間違えるたびに叩いたり、物を投げつけたりする。
家庭は密室であり、外部から見えないからこそ、親自身が無意識に過度な行動に走るリスクがあります。
「笑顔の中学受験経験者」のご家庭では、次のような方法で密室化を防ぎ、不安を乗り越えています。
- 塾の先生や教育カウンセラーに積極的に相談する。
- 家事の一部をアウトソーシングし、精神的余裕を確保する。
- 周囲とのつながりを大切にし、孤立を防ぐ。
こうした取り組みにより、家庭内の緊張を緩和し、バランスを保ちながら受験を進めています。
笑顔の中学受験を実現するためのポイント
最後に、「笑顔の中学受験経験者」の共通点をまとめます。
- 結果よりもプロセスを評価する
- 点数や偏差値ではなく、努力や姿勢に目を向けましょう。
- 家族全員で協力する
- 役割分担をし、互いにフォローし合うことで安定した環境を作ります。
- 孤立しないための工夫をする
- 専門家への相談やアウトソーシングを活用し、家庭の負担を軽減します。
中学受験は家族全体の成長の機会です。お子さんとともに歩む道のりを、ぜひ笑顔で乗り越えてください。私たちは全力でその道をサポートします！
最後までお読みくださり、ありがとうございます。
私にできることが、少しでも皆さまのお役に立てたらと、精一杯心を込めて書きました。
私は、中学受験には弊害もあると感じています。
ただし、中学受験が直接弊害なのではなく、その取り組み方によって、お子さんの弊害となる場合と、お子さんとご家族にとって大きな成長チャンスとなる場合があると捉えています。
その鍵は、中学受験における、お子さんと周りの大人（親御さん、学校の先生、塾や家庭教師の先生）との関わり方だと考えます。
すべての中学受験生が、中学受験が能動的学習のきっかけとなり、入試のあとに「がんばった！」「やりきった！」と思える経験となるように、心から願い、応援しています。
このブログの感想やお子様に関するモヤモヤ、お悩みなどをお聞かせください。
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