こんにちは
2ndスクールオンライン 教室長の奥田みほです。
2025年8月に公表された文部科学省「学校基本調査(速報値)」では、通信制高校の生徒数が305,221人、過去最多を更新しました。
全日制・定時制・通信制の高校生のうち、通信制が占める割合は約9.6%(およそ10人に1人)。
この傾向は10年連続の増加です。
参考:学校基本調査/令和7年度(速報) 初等中等教育機関、専修学校・各種学校 学校調査・学校通信教育調査 高等学校(通信制)
この数字だけで「高校は通信制でもよい」と決めつけるのは適切ではありませんが、高校の学び方が多様化しているのは事実です。
また、いまの小学生にとっては、「学校に来ていないクラスメイト」が身近に1人以上いる状況も珍しくありません。
いつ、どのように、は さまざまですが、多かれ少なかれ小・中・高校の過程で一度は「学校に行きたくない」と感じたり、周囲の大人に訴えたりした経験があることでしょう。
大人が想像する以上に、子どもたちにとっての「学校に行きたくない」は”普通に生じうる気持ち”です。
親世代のネガティブな受け止めと、子ども側の感覚には、しばしば大きなずれがあります。
そのうえで、やはり小学生の段階で生じる「行きたくない」は中学受験にも確実に影響します。
中学受験生のお子さんが、ある朝ふいに「学校に行きたくない」と言い出したら――どう対応しますか。
本稿では、この“普通に生じる感情”に対して、中学受験に臨むご家庭が何をどう整えると迷いが小さくなるかを整理します。
中学受験は、家庭の運営そのものです。
テキスト、塾、模試、体調、きょうだいの生活、家事、家計……。
毎日の選択が続く中で、模試の結果や子どもの態度に心が大きく揺れる場面は少なくありません。
だからこそ、最初に「決めておくこと」を二つ用意しておくと、迷ったときの拠りどころになります。
ここはぶれない軸にします。
「偏差値60が取れそうなら受験」ではなく、まず受験に取り組むかどうかを決めます。
「やる」を選ぶなら、家族の生活動線を受験仕様に組み替える。
ここはあとから色を足せる領域として、ゆるく描いておきます。
例えば…
「絶対○○」と言い切らず、まずはゆるい地図を描き、子どもの様子に合わせて微調整します。
先にゴールらしき点を置いておくと、予想外の出来事が起きても「今は寄り道。遠回りでもこれが道」と受け止めやすくなります。
一時的な不登校や成績不振があっても、どの道で追いつくかを落ち着いて選べます。
通信制の増加は、「高校の学び方」が一本線ではないことをはっきり示しました。
中学受験に取り組む家庭にとって、これは安心材料でもあります。
「いまつまずいたら終わり」ではない。
だからこそ、目先の偏差値に振り回されず、方針に立ち返る習慣を持っておきたいところです。
見るのは得点ではありません。
どの問題を正答したか、どの問題を誤答したか――設問単位で棚卸しします。
さらに、正答も分析が必要です。
正答の3タイプ(仕分け用)
①確信正答:理解して自信をもって書けた
②不安つき正答:合っていそうだが手応えが弱い
③まぐれ正答:根拠が薄く、たまたま当たった
理想はもちろん①ですが、②が多いほど伸びしろがあります。 模試とテスト直しの目的は、②を①へ格上げすること。
解説冊子を写すだけの「作業」にならないよう、次の手順で進めます。
③が多い場合は、一度“基礎”に戻るのが近道です。応用は一時停止。
毎日15分×1本で、基礎の取り切りを徹底します。必要なら塾の先生に相談を。
小学生が休みの日に模試を受けに行っただけで、まずは評価に値します。ここで自己効力感を削らないことが、次の学習につながります。
机上学習だけでなく“体験”も:ときどき家族で博物館や自然観察へ。
学びの肯定感を補給しましょう。
スクールカウンセラー、発達・メンタル、学習伴走など。家庭だけで抱え込まない。親御さん自身の健康と余裕も守る。
→ 日課・睡眠・食習慣の整備が先。 合格は結果にすぎません。受験をきっかけに日課・睡眠・食習慣を整え、定められた日(入試日)へ向けて学習を積み重ねる経験を習慣化することが、真の成功です。
→ “減らす勇気”。 基本問題の正答率90%を優先。応用は塾の先生と相談しながら。新しい問題集の買い足しを重ねるのはNG。
→ 点数ではなく行動を言語化して返す(「毎日机に向かえたね」「どこがわからないか言えたね」)。行動へのフィードバックは心に響き、“もっとできるようになりたい”というエンジンを回します。
偏差値はお子さんの絶対評価ではありません。たとえるなら「いまの天気」。
晴れでも夕立は来ますし、雨でも雲間は開きます。
中学受験は小学生の受験です。6年生の模試偏差値が上下10ポイント揺れることは珍しくありません。
模試の結果を見るたびに進路を変えるのではなく、家庭の方針(しっかり/ゆるく)に沿って準備を続けましょう。
そのうえで、子ども自身が「よりよくなりたい」と願い、自ら考えて動いていることを、大人が見失わないことです。
通信制30万人の時代は、“挽回ルートがある社会”の証しです。
焦って親子関係を傷つけたり、自己肯定感を下げたりしないように。
何があっても方針に立ち返り、静かに前へ。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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