こんにちは
2ndスクールオンライン 教室長の奥田みほです。
中学受験塾では、2月から新学年に進級しましたね。
新しいテキスト、新しい先生、新しい教室… お子さんの様子はいかがでしょうか?
ブログタイトルのとおり、新5年生になってから成績が下がるお子さんは少なくありません。
今回のブログでは、新5年生になると成績が下がる主な理由と、その際に気をつけるべきポイントを解説します。
5年生の1年間の過ごし方が、2年後の中学入試の明暗を分けると言われています。
ぜひ最後までご覧ください。
5年生になると、学習する単元数が増え、内容も高度になるため、小テストでも満点が取りにくくなります。
例えば、算数では「解き方を知っている」だけではなく、「自在に使いこなせる」ことが求められるようになります。
4年生までは「習ったパターンに当てはめる」ことで解けていた問題も、5年生では「考えて応用する力」が問われるようになるのです。
そのため、これまで順調だったお子さんでも、5年生になった途端に点数が伸び悩むことは珍しくありません。
しかし、この時期に必要なのは、「間違えても粘り強く考え続けること」です。
「自分で考えて解いた!」という達成感が、次の学習へのエネルギーになります。
大手中学受験塾の算数講師が
「受験算数は演習量がものをいう」
とおっしゃっていましたが、まさにその通りです。
難しい問題に粘り強く取り組み、自分の力で解決できた経験を積んだ子は、本当に強いです。
「中学受験は地頭の良い子だけが楽しめる」と言われることもありますが、そんなことはありません。
周囲の大人が適切にサポートすれば、どの子も「自分で考えて解く楽しさ」を知ることができるはずです。
それだけに、親の姿勢や声かけは非常に重要になります。
5年生になると、偏差値を算出する「母集団」が変わるため、成績が変動しやすくなります。
近年、低学年から中学受験塾に通うお子さんが増えていますが、その中には「とりあえず塾に通ってみた」層も一定数います。
低学年のうちは、
などの理由で、「習い事感覚」で塾に通うご家庭も少なくありません。
しかし、4年生になると、
といった変化があるため、
「うちには合わない」
と退塾するケースが出てきます。
また、4年生から中学受験塾に本格的に通い始める層もいます。
こうしたお子さんの中には、すでに家庭学習を積み重ねてきたケースも多く、入塾後すぐに上位クラスに入ることも珍しくありません。
このように、5年生になると偏差値の「分母」が変わるため、相対的に偏差値が下がるお子さんが出てきます。
例えば、算数の小テストで満点を取っても、低学年では偏差値70を超えていたのに、新5年生では偏差値60後半になることもあります。
(これは極端な例ですが、標準偏差が小さくなることで起こりうる現象です。)
5年生になると、成績が低迷しがちな理由をご理解いただけたでしょうか。つまり、5年生の成績低迷は、お子さんが怠けているからではないのです。
この5年生の1年間は、非常に重要です。
ここでお子さんへの対応を誤ると… 「最悪な中学受験」へまっしぐらです。
誤ってしまいがちな対応例を3つご紹介します。
「なんなの、この成績は! ゲームばっかりやってるからでしょ!」
「次のテストでもこんな点数だったら、もう塾をやめさせるからね!」
これは絶対にNGです。お子さんなりに頑張っているのに、努力が結果に結びつかないこともあります。
親に責められると、子どもは深く傷つきます。
代わりに、
「新5年生になって授業が難しくなったよね。疲れてない?」
というように、子どもを労う声かけをしましょう。
「やはり集団塾は、うちの子のような内気な子には合わない」
そう考え、塾を転々とするご家庭もありますが、これは慎重に判断すべきです。
5年生の成績低迷は、お子さんが怠けているからではなく、学習内容の難化や偏差値の変動によるものが大半です。
そのため、転塾したからといって成績が劇的に向上するわけではありません。
原則として、中学受験塾に通うならば4年生以降の途中転塾は慎重にすべきです。
各塾ごとにカリキュラムが異なるため、高学年での転塾は「習っていない単元」が生じるリスクがあるからです。
また、転塾を親御さんの判断だけで決めるのも危険です。
塾に通って勉強するのはお子さん自身ですので、転塾を考える際は、お子さんの意見をしっかり聞き、納得したうえで決めることが大切です。
「読解が苦手だから、市販の読解メソッドの問題集を買おう」
「このテキストが合わないなら、他の問題集も試してみよう」
お子さんの成績低迷を目の当たりにすると、塾の教材とは別に市販のテキストを追加したくなる親御さんもいらっしゃいます。
しかし、これは逆効果になる可能性があります。
「今通っている塾の宿題をコツコツこなす」
これこそが、着実に基礎力をつけ、応用問題へ発展させるための鉄則です。
親御さんの自己判断で問題集を追加すると、お子さんの負担が増え、混乱を招くことも少なくありません。
特に時間的な余裕がない中で、あれこれ手を出すのは非効率です。
難関中高一貫校に通う高校生に
「中学受験はどのように勉強していたの?」
と聞いてみると
「塾の先生に言われたことをやっていただけ」
という答えが返ってきます。
5年生で成績が低迷しても、親御さんが冷静に対応することが何よりも大切です。
お子さんを叱責したり、無理に家庭学習を強制すると、学習意欲が低下するだけでなく、最悪の場合は勉強そのものが嫌いになってしまいます。
さらに、過度なプレッシャーをかけることで、自傷行為や家庭内暴力などの問題行動に発展するケースもあります。
また、成績低迷をきっかけに不登校になるお子さんも少なくありません。
中学受験は、「好奇心を発揮し、多くの知識を身につけ、発展させていくこと」が本来の目的です。
そのため、親御さん・塾の先生・家庭教師の最も重要なミッションは、
「お子さんを勉強嫌いにさせないこと」
だと心得ましょう。
中学受験における親御さんの役割は、「学習サポート」ではなく「生活リズム・健康サポート」です。
さらに、親御さん自身の「セルフメンタルケア」も重要です。
なぜならば、お子さんがのびのびと好奇心を発揮し、学びを深めていくためには、ご家庭の雰囲気が穏やかであることが必要不可欠だからです。
親御さんの望ましいスタンスを3つお伝えします。
受験に関する悩みや不安は、塾の先生・家庭教師・受験カウンセラーなどの専門家に相談しましょう。
また、心理カウンセラーに相談するのも一つの手です。
子どもは親だけで育てるものではありません。悩みを抱え込まず、周囲のサポートを積極的に活用することが大切です。
最近は、親御さんが作成した「解き直しノート」などをSNSで紹介するケースもありますが、必ずしも必要なものではありません。
基本的に、学習は塾に任せるのがベストです。
親御さんは、お子さんの食事・睡眠・生活リズムを整えることに注力しましょう。
また、「勉強しなさい」と指示するよりも、
「こんなにたくさんの宿題が出ているの?頑張っているね」
と、お子さんの努力を認め、励ます声かけを意識することが大切です。
お子さんが10歳になったら、先回りしたアドバイスや行動を控えましょう。
「目はかけるけど、手はかけない」
ことがポイントです。
親御さんが10年間かけて育んだ愛情のもと、お子さんは自然と自立し、ひとりで考え、行動できるようになっています。
失敗することもありますが、それを乗り越える経験こそが大切です。
極端な危険がない限り、親御さんは口を出さず見守るくらいの姿勢がちょうどよいでしょう。
最後までお読みくださり、ありがとうございます。
私にできることが、少しでも皆さまのお役に立てたらと、精一杯心を込めて書きました。
このブログの感想やお子様に関するモヤモヤ、お悩みなどをお聞かせください。
2ndスクールオンラインは、中学受験における親子のポジティブメンタルに注目したオンライン個人指導塾です。
学年途中での転塾は原則的に勧めません。
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