組分けテストの結果が届くまで、親御さまは本当にドキドキするものですね。
Web上で結果を見たあと、今度はまもなく下校するお子様にどのような声をかけようかと再びドキドキします。
お子様自身は、組分けテストやクラス昇降のことをどのように感じているのでしょうか。
親が思うより、子供は大人に気を遣っています。
子どもながらに、親が自分のために、多大なお金と時間を投資してくれているのは感じるものです。
どれだけテストの結果が悪かったとしても
「テストどうだった?」
と、正面から聞いてしまえば
「もう勉強辛い、、塾辞めたい、、、」
なんて決して言えません。
そこで、今回は元サピαクラスで男子御三家に通うS君に、サピ在籍当時の組分けテストについてインタビューしてみました。
S君はサピ大規模校に通っているときに、お母様が弊塾の保護者カウンセリングをご利用になりました。
多忙を極めるお母様が、S君が宿題をちゃんとやっているのか見てあげることができないことが最大の悩み。「宿題やったの?」と言うとS君が不機嫌になって、親子喧嘩が増えているというご相談でした。
そこで6年生の9月からサピと併用して弊塾が忙しいお母様の代わりに家庭学習をフォローしていました。
ーーはじめに、中学受験することになった経緯から教えてください。
S君:テレビで全国統一小学生テストのコマーシャルを見て、これやってみたい と親に頼んだそうです。僕は覚えていないけど。
それで1年生から3年生までは四谷のリトルに通っていて、4年生からは習い事と曜日が合わなくなったからサピに変わりました。
ーー中学受験で習い事を止める人が多いけれど、習い事と曜日が合わないから塾を変えるというのは、初めて聞きました。
その習い事は入試までずっと?
S君:はい 止める理由はなかったですし、中学進学後のいまでも続けています。
ーーちなみに何の習い事?
S君:ピアノと剣道です。
ーー御三家に進学ということは、4年生以降はずっと大規模校のα上位クラスだったんですよね。
S君:そんなことないです。成績はジェットコースター。良いときと良くないときの偏差値差は20くらいあったかな。教科によってもバラバラで。
そういう話は、実はS君以外の難関校進学者でも本当によく耳にします…
偏差値が下がる
↓
次のテストで頑張る
↓
偏差値が上がる
↓
ホッとする
↓
偏差値が下がる
↓
次のテストで頑張る
この繰り返しは、よくあることなのです。
偏差値20くらいの幅でのアップダウンであれば、静観していて大丈夫です。
下がり続ける場合は、なるべく早めに塾の先生に相談することをおすすめします。
ーーそんなジェットコースターな成績だとしたら、組分けテスト終了後から結果が出るまでの期間はどんな気持ちだったのでしょうか。
S君:クラスが落ちないかどうかとても心配でした。
ーーやはりクラス昇降のことはとても気になるものですか?
S君:はい 気になっていました。
ーーもし落ちてしまったときはどんな気持ちに?
S君:ちょっと落ち込んだけど… まぁ そんなこともあるよね みたいな
ーークラスが上がったときは?
S君:嬉しい…(ぼそりと呟く)
この「まぁ そんなこともあるよね」という言葉と「嬉しい…」という呟きに、S君の健やかな負けん気と清々しいプライドを感じます。
ーー組分けテストの結果が返ってきたときの教室の様子はどんな感じ?
S君:教室の様子はザワザワしていました。 他の人の結果を聞いたりして。
ーーへぇ 他の人の結果を聞いちゃうのね。つまり「ザワザワ」はかなり楽しい雰囲気なのかな
S君:まぁ そうですね。
ーー大幅に成績ダウンしてしまったときに、親に言われたくない言葉は?
S君:言われたくない言葉は、叱責の言葉です。テストの結果は自分の問題で、親は関係ないと思うので。
ーーほう 親は関係ないと思っているのね
当時、S君のお母様は、ジェットコースターのような成績のことも大変心配されていました。
それなのになんとS君本人は「親は関係ない」と思っていたとのこと。
ーークラス内の席順もやはり大事なの?
多くの親は大事だと思っているし、教室に入れないから余計に気になるものだけれど、受験生本人はどうなのかな と思って
S君:席順はそんな気にしてなかったです。結構簡単に入れ替わるので。
1番が大統領、2番が大臣…なんて言ってどちらかというと楽しんでいました。
ーーところでサピの国語って、何を勉強すればいいの?
S君:何も勉強してなかった気がします。
ーー何も?!
でもサピ漢や言葉ナビ、授業で出された宿題はやっていましたよね。
S君:それはもちろん。
塾の授業をちゃんと聞いて、出された宿題や小テスト対策はやっていましたよ。でもそれ以外は特になにも。
難関校を志望校とするお子様の中で、算数は抜群にできるけれど、国語で苦戦してしまうお子様は少なくないため、S君にこの質問を投げかけてみました。
S君は「何も勉強していなかった」と答えましたが
正しくは「何も特別なことは勉強していなかった」ということですね。
すなわち基礎を疎かにせず、塾で言われたことはすべてきちんとやっていたのです。
国語で苦戦しているお子様に、家庭教師をつけて特別な対策をとろうとする方がいらっしゃいますが、難関校合格者でも、サピ漢と言葉ナビを軸に取り組んでいます。
難しい記述問題ばかり意識してしまいがちですが、まずは一定数以上の語彙を身につけ、使えるようになることからです。
ーーでは中学受験で一番勉強したのはなんですか?
S君:理科のコアプラスかな
ーーそれはどうして?
S君:理科が一番勉強の必要な教科だと感じたからです。暗記するものが多いですし。
コアプラステストとは関係なく1日10ページずつ勉強していました。
その他の教科は、塾の先生が「やってください」と言ったもの以外は大して勉強は要らないと思っていました。
ーー理科以外は、塾の先生が「やってください」と言ったもの以外は大して勉強は要らないと、自分でそう気づいたの?
S君:そうです。
ーーもしかして…小学生でも自分のことは自分でわかっているから、親は干渉しないで! という感じ?
S君:うん たぶん
ーーでもそれはαクラスから御三家に進学した君だからじゃないの? それともみんなそうなの?
S君:たぶんみんなそうなんじゃないかな
僕が通っていた小学校は半分以上が中学受験をしたけどたぶんみんなそうだと思う。
いかがでしたでしょうか。
私の感覚では、やはり4年生までは持ち物や宿題に関する声かけと適度な管理が必要です。
でも6年生にもなれば、S君のように、大人が思っている以上に、自分がやるべきこと・いまできていないこと・これから努力すべきこと、すべてわかっています。
「親御さまは永遠に見ることができない子どもの世界」に身を置いて、自分なりの考えをもって中学受験に挑みます。
ですから親御さまの役割は睡眠や栄養のサポートのみで十分です。
ただし、5年生あたりは要注意です。
いわば中学受験生として成長する過渡期ゆえに非常に不安定。受験生本人も親御さんも、そして成績もグラグラ揺れるものです。
そこで親御さまが、いまはこういう時期なのだとドンと構えていれば、お子様は安心してグラグラできます。この「安心してグラグラできる」環境こそが、お子様を大きく成長させます。
5年生のグラグラ時期はドンと構える。
もし親御さまが不安になったら、塾の先生や受験カウンセラーに相談しましょう。
また、S君のインタビューを読んで
「信じられない!」
「うちの子には絶対無理!」
と思った方も、塾の先生や受験カウンセラーに相談してみることをおすすめします。
弊塾では、中学受験塾の家庭学習フォローのための、保護者カウンセリング付きバーチャル学習空間(オンライン自習室)サービスがあります。
S君のお母様のような多忙ゆえにお子様の受験にあまり関われないと悩んでいる方や、お子様の学習フォローを頑張りすぎて疲れを感じているお母様とお子様の家庭学習をご支援させていただきます。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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